無知と偏見による生活保護バッシング

40代の男性の生活保護相談に同行したことを
ニュースに書いたら、お叱りの電話をいただいた。
「若いのに生活保護とは何事か。けしからん!」

こういう意見は実に多い。
今日、「神奈川生活と健康を守る会」の学習会へ行ったら、
他の地域の人もそんな話をしていた。

世の中には事ほど左様に無知と偏見が充満している。

だいたい、誰でも彼でも簡単に生活保護が取れるわけないではないか!
全国の地方自治体の福祉事務所の職員はものすごく厳正に面接をしているのだ。
あえて、皮肉交じりに言わせてもらえば、
だからこそ悪名高き「水際作戦」とか「硫黄島作戦」と言われる門前払いあるいは、
保護を取らせたあとのネチネチ攻撃があると言われているのだ。

私はたぶん、福祉事務所(横須賀市生活福祉課)の
生活保護の面接相談に100回は同行していると思うけど、
ただの1度も簡単に生活保護を取れたことはない。

ご本人も真剣に窮状を訴え、職員も生活保護法に則り
面接を進めている。
40代の男性が生活保護を取れたのには理由がある。
彼は極度の経済苦に陥っていた。しかも働くことができないほどの病気をかかえていた。

働き盛りの年代は働いて当たり前と思うことのその前に
働きたくても働けない人もいることを理解するべきだ。
世の中の就労年齢層は全員が健康そのものとは限らない。

私が関わった彼は身体的な面で病気を持っていたが、
「いい若いもんがなぜ、働かぬ。」という世の中の罵声を
浴びせかけられる多くの対象は精神疾患を有する人々だ。

うつ病、統合失調症、依存症など精神疾患を抱える生活保護受給者はかなり多い。

精神疾患の人々は見た目ではわからない。
身体的には健康そのものに見えても、自己の生活全体を管理すること、とりわけ職に就き規則正しい社会生活を行うことが、彼らには途方もなく高い、数多くのハードルになるのだ。

厚生労働省の生保受給者と全国の自殺率を対比するデータによれば
調査の行われた2008年では全国の自殺者数は32,249人。人口10万人あたり25.3人だったのに対し、生活保護受給者の自殺者数は843人で被保護人員10万人あたり54.8人と全国の2倍以上であることが分かった。
これが冷徹な現実なのだ。
厚労省は結果概要の中で、自殺の大きな要因は生保受給者は精神疾患を有する者の割合が高いことが考えられると分析している。

今般の生活保護制度改悪で、「孤立死」「孤独死」「餓死」が増えないかどうか心配だ。
同時に、世の中のバッシングが要因、遠因になり自殺者が増えないか、ほんとうに心配だ。

そのためにも気軽に相談できる場を横須賀にも広げなければと思う。

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精神疾患生活保護者に共同住宅を

職に就き規則正しい社会生活を行うことが困難で、生活保護を受けているタイプの人たちは、老人施設のグループホームのような施設での生活を推進していくべきではないでしょうか。
個別の契約の家賃より節約できるでしょうし、共同施設管理者による共同購入により食費も節約できるし、共同住宅を運営する為の職場の確保により雇用も生れるでしょうし、一般社会になじめない人たちにとっては毎日が過ごしやすくなるのではないでしょうか。
共同住宅は、横須賀市で現在空き屋なっている山の上の家屋をシェアハウス的に活用すれば、空き屋問題の解決になるでしょう。一般社会との接触が困難な方たちですから山の上から降りてくる必要は無いわけですし、横須賀市の特徴が生かされるのではないでしょうか。
プロフィール

大村洋子

Author:大村洋子
大村洋子
50歳。横須賀市議会議員2期目。
暮らし、福祉、平和のため日々奮闘。
人と語り合い、本を読み、映画を観る。
駅で訴え、ニュースを書き、ブログを更新。
インプット&アウトプットの毎日。

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