滋賀県野洲市 おせっかい市役所を視察―②

①でも書いたとおり、私は市役所の市民への生活相談体制に大きな不満を持っている。何か困ったことがあって、窓口へ行くと「それは○○の窓口です。」と言われ、いわゆる、“たらい回し”にされる。

言われ続けぐるぐる回されると、疲れるし、諦めたくなる。“たらい回し”にされなくても、生活福祉課へ行って生活保護を受給したいと相談に行っても、ほとんどの人が(全部とは言わないけれど)疲れるか、怒るか、おびえるか、不安になるかである。

結果はどうであろうと、私は市役所に相談に行って良かったな・・・またこれからも何とかやっていくか、と励まされたり勇気をもらったりという状況がほしい。

そういう市民の側からの生活相談を業務として確立したのが、滋賀県の野洲市役所「市民生活相談課」である。

ここのすごいところのひとつ目は、とにかく何でも受け止めるということだ。借金、生活困窮、福祉相談、暮らしの困りごと、なんでも受け止める。

すごいところの2つ目は、弁護士、司法書士、税理士、社会福祉協議会などの専門家や団体との連絡が密で、具体的にその方々に即動いてもらう体制ができているということだ。

そして、3つ目に、国が行おうとしている様々な施策のモデルとして積極的に手を挙げ目ざとく予算を獲得していること。これには当然、縛りも課せられるから、諸手を上げて賛成とはならないけれど、常に国や県の動向を注視しながら、それを市の施策に運用するという姿勢は見上げたものだと思う。

そして、私が最も注目し羨望の眼で見るのは、庁内の部署の横断的な情報共有と対応だ。野洲市には「市民相談総合推進委員会」というのがある。設置要綱の第1条、設置の目的にあたる部分だが、そこには

「社会問題化している自殺、生活困窮、人権侵害等の市民生活に関する深刻な問題に対し、関係課等が連携し、問題を解決するための積極的な施策の推進及び生活再建の支援を図るため」 とある。

注目するのは「関係課等が連携」というところ。委員には31の課の職員が入っている。税務、障がい者支援、児童相談所、人権施策、高齢者などのほか、上下水道課も入っている。上下水道の使用料の滞納は生活困窮のバロメーターになっているし、最悪「孤独死」「無縁死」ともかかってくる。こういった庁内の多くの部署が、束になって、市民の相談事を受け止め解決のために対応する。

私はこれぞ、市役所の本来の姿勢だと思う。

なぜ、市役所は市民に冷たいか・・・「自助」「自立」「自己責任」が国からシャワーのように日夜降り注がれる中で、首長の心と頭が蝕まれているし、その下で働く職員は「人事評価制度」で「成果」を期待されて人間味ある仕事ができない環境に置かれている。同情心がないわけでもない。でもそういうしわ寄せが全部市民にいくんだ。

野洲市は5万人の人口なので、市民1人ひとりが掌に乗っている、横須賀はその8倍の41万人。到底同じようにはいかないのは承知するところ。でも、規模の大小ではないと思う。市役所の姿勢が出る。

私はそういう冷たい市役所の体質を変えたいと思う。

市民の声を受け止め、市民の心に寄り添い、要望を叶えるために力を尽くすこと。そしてそれが無理なら、なぜ無理なのかしっかり説明を尽くすこと。それを真摯にできない市役所は存在価値がない。
そして、それは市議会議員にもそっくりそのままあてはまる。
プロフィール

大村洋子

Author:大村洋子
大村洋子
50歳。横須賀市議会議員2期目。
暮らし、福祉、平和のため日々奮闘。
人と語り合い、本を読み、映画を観る。
駅で訴え、ニュースを書き、ブログを更新。
インプット&アウトプットの毎日。

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